金融事務の仕事内容・必要なスキルは?一般事務とどう違う?
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事務職のなかでも、金融業界に特有の仕事内容が含まれる「金融事務」。実際のところ、どんなお仕事なのでしょうか?
今回は金融事務の仕事内容と求められるスキルを解説していきます。
目次
金融事務とは?
事務職には様々な種類があり、経理事務・総務事務・人事事務・営業事務などの業務内容や、貿易事務、金融事務などの業界で分類されることがあります。
なかでも金融事務とは、金融機関の支店や事務センター、本社で事務に携わる職種です。
金融機関特有の業務や求められるスキルがあるため、求人内容の要件に「金融事務経験あり」として記載される場合も多いです。
金融事務の仕事内容
金融事務の求人企業としては、銀行・証券会社・保険会社が代表的で、仕事内容はそれぞれ異なります。
共通してお客さまへのご案内などの顧客接点があることが、一般事務など他の事務職と大きく異なる特徴です。
また、そのようなご案内や事務作業の過程で、専門知識を求められる場合もあります。
ここからは、業種別に仕事内容を見ていきます。
銀行の場合…拠点によって業務が異なる
銀行の事務職は、支店、事務センター、本社のように様々な拠点で募集されていることがあります。
支店では、大きく分けてロビー案内、窓口業務、カウンター後方での事務の3つの業務があり、特に支店事務として募集されているのはカウンター後方での事務です。
カウンター後方での事務の場合、専用端末を操作して口座開設・解約や登録情報の変更などの処理を行います。また、電話などでの顧客応対をすることもあります。
支店での働き方は、下記の記事でも詳しくご紹介しています。ぜひご覧ください。
事務センターでは、支店と異なり、お客様の来店のない場所で、事務に集中して業務を行います。申請書類のデータチェックや、預金や決済など取引情報の専用端末への入力などの業務があります。また、担当業務によっては電話応対を行うこともあります。
本社では、幅広い機能の部署があるため、担う業務も部署によって大きく異なり、専門知識が求められる業務も多いです。
証券会社の場合
証券会社での事務の仕事内容としては 、窓口や電話での顧客対応や、顧客情報の入力・契約手続き、証券注文などの受発注対応、営業のサポートなどが挙げられます。
銀行と同様に口座開設やデータ入力などの業務を担う場合もありますが、銀行よりさらに専門的な証券関連の知識を活用する業務が多くなっています。
保険会社の場合
保険会社または保険の販売代理店での事務の場合、部署によって内容が異なります。
販売・契約に関わる部署では、顧客への保険商品の紹介や、見積・契約書など顧客に提出する書類の作成、電話連絡窓口などの業務を担います。
保険の給付に関わる部署では、問い合わせの対応や給付のための手続き、書類作成・発送などを行います。
金融事務に求められるスキル・資格
金融事務は総じて顧客との接点が多く、金融機関で働くがゆえに必要な専門知識などもあります。
ここからは、金融事務として働く際に求められるスキルを解説していきます。
金融機関やポジションによっても異なるため、詳しくは求人内容をしっかり読み込みましょう。
ビジネスマナー・コミュニケーションスキル
まずは接客にあたって失礼のないよう、必要なビジネスマナーをきちんと実践できることが重要となります。
また、お客さまの要望に従って仕事を進める都合上、コミュニケーションスキルも大事です。
ビジネスマナーについてより詳しく知りたい方、お仕事へ応募する前に確認しておきたい方は、ぜひこちらの記事もご覧ください。
正確な情報処理能力とスピード感
お客さまの個人情報や取引に必要な情報を預かり、その情報をデータとして記録したり書類作成に使用したりするため、ミスなく・正確に・速く情報を処理する能力が求められます。
金融の専門知識・資格
金融事務は金融の知識が求められる職種ですが、働き始める前からその分野の知識を必ず持っていなければならないわけではありません。研修や自己研鑽の制度等が用意されていることが多いので働きながら知識を身につけていけるでしょう。
一方で、募集職種によっては証券外務員資格など資格が必要なものもあります。証券外務員資格とは、金融商品を案内・勧誘するために必須な資格です。この資格についても、取得に向けた支援制度がある場合も多いので制度を利用して早期に習得することが重要になります。また、仕事上では必要のない場合でも習得することで将来のキャリアアップの幅の広がりにもつながるので金融事務として働くのであれば習得を目指してみても良い資格でしょう。
高度なPCスキルは必須ではない
金融事務の場合、専用システム・端末を使用している会社が多く、高度なPCスキルはそれほど重要視されない募集もあります。銀行の本社事務などではWord・Excel・PowerPointといったOfficeソフトをビジネスレベルで使える程度を求められることが多いようです。ほとんどの場合はExcel関数を使うことができる程度であれば十分なことが多いです。
金融事務はどんな人におすすめ?
ここからは、金融事務を特におすすめする方をご紹介します。
正確さとスピード感に自信のある人
前述の通り、契約や取引などに関わる重要な情報を扱うため、ミスなく正確に処理できることがほかの事務職よりも求められます。そのため、何度もチェックする・間違いを見落とさない・焦らず処理できるなど、正確に・素早く物事を進めることに自信がある方におすすめです。
成長意欲が高い人
専門知識を身につけて業務に活かす必要がある職種や、様々な部署へ配属される可能性がある銀行の本社事務採用などでは、キャリアを長期的に考えられることや、成長意欲があることも重視されるポイントの一つになります。
金融機関での就労経験がある人
金融機関で働いた経験や金融関連の資格がある場合は即戦力として見てもらえる場合が多く、有利にアピールすることができます。
また、職種によっては全くの未経験の方でも応募できる場合があります。未経験からめざす場合、もし資格取得のために勉強していると、よりアピールしやすくなります。
正社員採用の場合は昨今のニーズとして、IT業界の経験者の求人も多くなっています。
金融事務で働くメリット
他の事務職に比べてややハードルの高い金融事務ですが、働き方やキャリアの面でメリットもあります。
家庭・プライベートと両立しやすい
金融機関は営業時間内の顧客対応とともに限られた時間で事務を進めていく必要がありますが、その分残業は少ない場合もあります。
さらに、パートタイム勤務での求人募集も多く、育児や家庭と両立したい時期にも適しています。
また、出産・育児でお仕事を辞めてしまった方の復職・再就職にもおすすめです。
将来のキャリアにつながりやすい
金融事務を経験すると金融の専門知識が身につき、金融業界で働き続けられる一生もののスキルになります。
さらに、金融機関によってはパートタイムでの勤務でもリーダー格になれたり、パートタイムからフルタイムの登用などのキャリアアップの道が用意されていたりする場合もあります。
また、金融業界は厳しく正確性・機密性を求められる業界でもあるため、金融機関経験者は事務職としても信頼されやすく、他業界への事務職への転職においても有利になります。
まとめ
金融事務はスキルの面ではややハードルの高い職種ではありますが、お客さまに直接何かを提供したり助けになれたりする機会の多い仕事でもあるため、やりがいも大きいです。
家庭やプライベートと両立しやすく、キャリア上でもメリットがあるため、ぜひお仕事を始める・再開する際の選択肢として考えてみてはいかがでしょうか。
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