子どもの教育費いくらかかる?貯蓄・投資に加え政府支援制度も活用して今から準備!
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子どもの教育費は人生の中でも大きな出費です。
「大学まで行かせるとなると、今の世帯収入だとどういう選択肢があるのかな」
「塾や習い事もたくさんさせたいけど、みんなどのくらい使っているんだろう」
「お金を準備するといっても、どこから始めればいいのかな」
というお悩みを、ひとつずつ整理して回答していきます。
目次
子どもの教育費は国公立中心で約900万円、私立中心で約2,300万円と言われている
まずは実際どのくらいのお金が必要なのか見ていきましょう。
幼稚園から大学+習い事も含めた一般的な教育費は以下の通りです。
(出所)文部科学省「平成30年度子供の学習費調査の結果について」
※大学費用のみ、文部科学省「国立私立大学の授業料等の推移」2018年実績の4年分で試算
※学校外は習い事等の費用
保育園の場合は以下の通りです。(年間)
(出所)厚生労働省「平成30年 地域児童福祉事業等調査の概況」
※世帯における児童1人あたりの月額保育料(平均値)の12倍で試算
全部公立と全部私立で約1,400万円の差があります。だいぶん違いますね!
おおよその目安が分かったところで、次に、教育費のトレンドについて見ていきましょう。
教育費は上昇傾向にある?!
こちらのグラフをご覧ください。
教育費無償化、政府による支援制度
幼児教育・保育の無償化制度
(出所)内閣府HP
高等教育の修学支援新制度(2020年4月から)
政府は、意欲ある子供たちの進学を支援するため、授業料・入学料の免除または減免と、返還を要しない給付型奨学金の大幅拡充により、大学、短期大学、高等専門学校、専門学校を無償化する方針を決定しました。
住民税非課税世帯と、それに準ずる世帯の学生が支援対象になります。
詳細は文部科学省「高等教育の修学支援新制度 特設ページ(大学生・高校生・保護者向け)」をご参照ください。
高等学校等就学支援金制度
高校等に通う生徒等に対し、授業料の一部または全部を支援する制度です。
国公私立問わず、高等学校等に通う所得等要件を満たす世帯の生徒に対して、授業料に充てるための支援金が支給されます。
目安年収はこちら。
(出所)文部科学省「高校生等への修学支援」
※中学生以下:15歳以下、高校生:16-18歳、大学生19-22歳。給与所得以外の収入はないものとし、共働きの場合両親の収入は同額として計算。配偶者控除対象となっている場合、一方が働いている場合とみなす
子どもの将来に向けて備えたい。足りない場合はどうする?
子どもの成長に合わせて必要な費用が変わってきますが、やはり一番大きいのは大学の教育費です。ここでは大学の教育資金捻出に向けた取り組みを2つご紹介します。
①貯蓄と投資で備える
将来に向けたお金を準備するための資産形成には2つの方法があります。
(出所)金融庁HP
貯蓄
毎月一定額を天引き形式で積み立てていくことで、貯蓄が苦手な方も確実に一定程度の資金を用意することができます。最も安全で確実に教育資金を準備する方法と言えます。
一方で、インフレによる教育費の高騰(現金価値の目減り)により、大学費用460万円を一生懸命貯めてきたのに、いざ大学に入る時には足りなくなるということも考えられます。
こうした事態にも備え、余裕を持った貯蓄計画を立てていくことが重要です。
投資
貯蓄は定期預金でもほとんど金利がつかないので、どれだけ預けていてもほとんど増えません。それに対し、投資ではお金を増やすことも可能です。
例えば、毎月2万円を想定利回り3% (年率)の投資信託で16年積み立てるとすると、投資開始から16年後には492万円※(元本384万円+運用収益108万円)となります。
(出所)金融庁 資産運用シミュレーション
※税引き前
投資手段の中には、投資によって得られる利益が非課税になる制度があります。NISA、つみたてNISAがそれにあたります。
教育資金を用意する際には、未成年者を対象にしたジュニアNISAの活用も忘れないように!
ジュニアNISAは、投資上限額は毎年80万円まで、5年間売買益が非課税になるメリットがあります。こちらの制度は2023年に廃止が決定(そのため2022年8月現在に加入すると2022年、2023年の2年間利用可能)しています。デメリットであった18歳までの払い出し制限が撤廃されたことで、非常に使い勝手よく非課税メリットを享受することができるようになりました。
もちろん投資は元本割れするリスクを伴います。いざ資金が必要になったタイミングで有価証券を売却しようとしても、市場が暴落していると、損をしてしまうことも考えられます。
そういう時に備え、貯蓄と投資をバランスよく行い、安全・確実に教育資金を用意しながら、インフレにも備えた資金計画を立てていきましょう。
②用意した資金では足りない場合、奨学金や教育ローンを活用
奨学金は、返済が必要な「貸与型(有利子・無利子)」と返済不要の「給付型」の2種類があります。記事の中でご紹介した、高等教育の修学支援新制度は給付型奨学金に当たります。
奨学金は日本学生機構が提供するもののほか、民間育英団体の奨学金、地方自治体の奨学金、大学独自の奨学金もあり、それぞれ応募条件が異なるので留意しましょう。
また、教育ローンは奨学金との併用が可能です。貸与型(有利子)奨学金の返済者が学生なのに対し、教育ローンの返済者は親になります。
一般的に、金利は奨学金<教育ローンです。まずは返済の必要がない給付型の奨学金にチャレンジし、教育ローンも金利が低いものから、あるいは貸与型の奨学金を検討してみましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
子どもの教育資金を一括で用意しようとすると、非常に大きな負担になります。いつ、どのくらいのお金が必要かを把握し、今から準備することがとても大事になります。
どんな進路を希望するか。どういう習い事をしたいか。それらは今の世帯収入だとどのくらい賄えそうか。
親子で話しながら家族のライフプランを立てていくのもいいですね。
教育資金の準備にあたっては、自分のスキルを活かして世帯の収入を増やすことも検討してみるのも手です。
収入を増やすことで、子どもの進路の選択肢も増えていきます。色んな方法で子どもの修学を応援していきましょう。
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